なぜ世界で”たった”21,000人が死んだウイルスをこんなにも心配しているのか?
そして、月曜日から3回もこのタイトルを変えなければならなかった理由 …
この投稿は3月21日に書かれたもので、これらの数字は日々変化していることに注意ください。以下に示すグラフは、ウイルスの流行クの指数関数的な拡大を示すものであり、時間の経過とともに感染者数が増加することによる人口密度の対策や感染者数の減少を考慮したものではありません。表題の数字は3月25日現在のものです。
現在のところ、SARS-CoV2で陽性反応が出た人が身の回りにいない人がほとんどで、死亡した人を知っている人はさらに少ないです。ではなぜ政府は、今のところほとんどの人に当面の脅威を与えていないと思われるウイルスを阻止するために極端な措置をとるのでしょうか?その答えは、指数関数的な拡大です。ウイルスが(SARS-CoV2のように)免疫を有してない集団に感染すると、指数関数的に拡大します。しかし、これは何を意味するのでしょうか?指数関数的な成長とは、ある期間に人口が2倍以上に増加することです。言い換えれば、人口が一定の間隔で2倍になっているということです。ここでは、SARS-CoV2を例に説明します。
現在、SARS-CoV2の確定症例数は約4日ごとに倍増しています。つまり、中国以外の世界的な確定症例数は、今後4日間で299,125人から598,250人に増加することになります。1週間強で世界的に100万人以上の症例が確認されることになります。1ヶ月以内には、全世界で38,288,000人の症例に増えている可能性があります。この指数関数的な増加は以下の図に示されています。数ヶ月のうちに、SARS-CoV2が世界の人口の半分に感染するまでに拡大する可能性があります。
ジョンズ・ホプキンス大学から提供された数字をもとにRachel Temple氏が作成したデータ
大多数の人が感染してしまえば、ウイルスの拡散はやがて緩やかになるでしょうが、それ以上に気になるのは入院が必要になる人の数です。現在、確認された症例の10~20%が入院を必要としています。このウイルスの拡散を遅らせない限り、入院率を10%と仮定した場合、5月15日までに3億人以上の人が入院を必要とする可能性があります。
ジョンズ・ホプキンス大学から提供された数字をもとにRachel Temple氏が作成したデータ
この数字、2ヶ月強で世界で3億人が入院を必要としていることから、多くの政府はSARS-CoV2を食い止めるために極端な対策を講じようとしています。特に、この数字を、私たちが利用できるICUのベッド数と比較すると(下図の赤い直線で示されています)。
2020年3月16日インペリアルカレッジCOVID-19対策チームが発表した論文。
COVID-19の現在の死亡率は、診断が確認された症例の4%を超えています。未確認症例を考慮して1%、あるいは季節性インフルエンザと同じ0.1%と仮定したとしても、世界の死亡者数は数百万人に達するでしょう。
ジョンズ・ホプキンス大学から提供された数字をもとにRachel Temple氏が作成したデータ
毎年インフルエンザで死亡する人は25万人~50万人であり、これはSARS-CoV2の10倍~100倍も少ないことになります。もしアメリカとイギリスで感染が拡大するのを許してしまった場合、インペリアルカレッジCOVID-19対策チームは、COVID-19が8月までにアメリカで200万人以上、イギリスで50万人以上が死亡する可能性があると予測しています。
2020年3月16日インペリアルカレッジCOVID-19対策チームが発表した論文
対人的距離を保つなどの公衆衛生対策を用いて感染者の割合をわずか20%にまで減らしたとしても、科学者たちは200万人ものアメリカ人が死亡する可能性があると推定しています(下記参照)。
2020年3月23日の論文タイトル;Covid-19の流行時における医療資源の公正な配分
幸いなことに、この大流行の結末を変える方法があります。中国政府が武漢市を閉鎖してから 6 日以内(赤星印の日付)に、中国の実際の症例数は減少し始めましたが(発症日に遡っての計算で)、診断された症例数が減少し始めるまでにはより長い時間(約 2 週間)がかかりました(これは、ウイルスの潜伏期間と 2 月 5 日に実施された新しい診断対策によるものです)。現在、中国では1日に10人以下の患者が報告されています。
2020年2月24日に発表された以下の論文からの引用: 2019年(COVID-19)中国でのアウトブレイクに基づくコロナウイルスの特徴と重要な教訓(JAMA)
現在、SARS-CoV2の拡散を遅らせ、カーブを平坦にするための最良の選択肢は、極端に社会的距離を保つことです。身近な人以外との不必要な交流を避けるべきです。必要なときだけ家を出る。病気になったら、家の中でじっとしたまま過ごし外出しないこと。これが中国では奏功しました。韓国では、大流行が始まった当初からウイルスの拡散をコントロールするために国を挙げて対応し、感染者を隔離して接触者を追跡することに加えて、大規模なスクリーニング検査(検査対象を拡大)を実施することにも成功しました。同様のモデルは、パンデミックの再来を防ぐために、ロックダウンが解除された後に他の国でも採用される可能性があります。
Science Magazineより引用。
最後に手を洗い、顔には触れないようにしましょう。いずれは終息するでしょうが、一日も早く、少しでも多くの人命を失うことなく乗り切るためには、一人一人の力が必要になります。
指数関数的成長と大流行についての詳しい説明は、以下の動画をご覧ください。
世界中のCOVID19の症例数、死亡者数、回復者数の総数を追跡したい方は、このウェブサイトが1時間ごとに更新されています。いつものように、手を洗って、カーブを平らにするためにあなたの役割を果たしてください。